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「杉山に甘えるのもいいけどさ…」
俺が瑠美花に甘えてる!?
逆だ俺は甘ったれた自分を変えたいんだ
「杉山の気持ちとか悩みとか気づいてやれば?」
「…瑠美花の悩み?」
「何か進路調査の紙見ながら青ざめてたぞ」
「………」
瑠美花の進路…そういやぁ聞いたことなかった
あいつが将来何になりたいとか全然知らない
まぁあいつはチビの頃から
目の前の難題をどう解くかばかり考えてたし
それしか考えられない状況下だったし
…ってかあいつの進路の悩みってもしかして…
その時、そばにいた剛志の携帯が鳴った
「翔からだ、もしもし…理男?うん傍にいる…携帯繋がらなくなった?」
気になって自分の携帯を見やると
画面が真っ暗だった
そういやぁ昨日充電するの忘れてて
今日も起きてそのままひっつかんできたからな
「はっ!?杉山が誘拐された!?」
その言葉を聞いて俺はバッと剛志から携帯を奪いとった
「翔!!俺だ!!
瑠美花がどうしたんだ!?」
『理男!!それが俺たちにもってあっサク…
リオくん!!大変だよルミちゃんがどっかのゼドリック野郎に攫われた!!
今、タクシーでその車追跡中なの!!』
翔の声が小さくなったと思ったら急に姫乃木の声に変わった多分、姫乃木が翔の携帯を奪い取ったのだろう
俺はゼドリックと聞いて覚えがある分少しだけ安堵する
「姫乃木その車の特徴もう少しわかるか?」
『うん、黒のゼドリックにスモークガラスで後部座席の後ろにはレースカーテンが引いてあって
いかにも金持ちが乗ってますって感じの車
その車が校門前に止まってて
ルミちゃんが1人になったの見計らってそれでそれで…』
記憶の中のそれと重なり俺はやっぱりと息をついた
「別に誰かに押し込まれたとかじゃないんだよな」
『乗った瞬間だけチラってみたけど
自分でだけど妙に慌ててた多分中から脅されて
…あっ今、駐車場に入った』
「ひとまず…それは誘拐じゃないだろうから安心しろ
多分、瑠美花本人の意志で乗ったはずだ
俺もすぐにそっち向かうから場所教えて」
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