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「なぁ……瑠美花、あの件何だが少しは考えて…」
「今更、あり得ないから」
パパが話しを切り出してきたのは
食べ終わったケーキの皿を店員が下げにきた直後だった
パパの言葉を最後まで聞かず答えてから
カップに残ったコーヒーを啜った
「……っ」
パパは強気な私に少々怯んだ様で言葉をつまらせた
正直なところ表向き取り繕って
強気な態度をとっているが心中は大パニック
しかしそれを悟られる訳にはいかない
相手はパパ一人、私の不安さえ見抜かれなければ
きっと切り抜けられる…
私が言うのも何だがパパはものすっごく…女性に弱い
女好きという意味ではなく
女…特に気の強い女性には全く逆らえない
そのくせそういう女性が好みという
ママ曰わく『ドＭヘタレ男』
だけど会社でのパパは
一躍頼れるリーダーと変貌するらしい
パパの働いてる所を見る機会なんてないから
私はそんなパパが全く想像出来ないんだけど
因みにそんなパパの欠点を隠す為に
会社の重役は今のところ全員男なのだそうだ
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