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「コーヒーのお変わりはいかがですか?」
重苦しい私たちの沈黙を破ったのは店員さんのその一言だった
そういえばコーヒーはお変わりが自由だって
始めに言っていたっけ
「あぁ、お願いします」
パパがそう言うと店員さんは私たちのカップにコーヒーを注ぎ足して去っていった
それから一つ大きく息をついてからパパは再び話し始めた
「お前ももう17だ、もう子どもじゃないと思ってこの話しをした
お前には状況をちゃんと理解した上で
考えて欲しいことだから」
「………」
確かに何故突然パパがあんなこと言い出したのかの理由は
さっきの話しを聞いて大体わかった
だけどだからと言って従える話しではない
私がうつむいてなんと言おうか言葉を探していると
先にパパが言葉を続けた
「あらためて頼むよ、
家に帰ってきてくれ…
あの家にはどうしてもお前が必要なんだ
あの家の後継者は…どうしてもお前しかいないんだ…」
私はうつむいたまま膝の上に置いてた両拳を握りしめた
その時、俯いた私に被さるように影がかかった
「瑠美花。」
聞き慣れた声にばっと顔を向ける
テーブルの前に立ちはだかる見慣れたその姿に私は唖然とした
どうして…リオがここにいるの…
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