シンデレラの涙

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「誰なんだい君は?」 リオに気付いたパパが怪訝そうに眉根をよせた 誰ってリオとは初対面じゃないはずなんだけど… あっでもうちの両親の離婚以来だろうから6年ぶりぐらいか 「久しぶりですね、おじさん…」 リオの声がいつもより更にワントーン低い これは不機嫌な時や怒っている時の印 「リオ…どうして?」 なんで、どうして怒ってるの? ってかどーしてここにいるの? ただただ驚きの中でそれだけ呟くと パパがはっとしてもう一度リオを見上げた 「君があのリオくん!? 瑠美花と同じマンションに住んでるあの男の子!?」 男の子の成長はすごいなぁとか呟くパパをもうひと睨みし リオは私の腕をグイッと引っ張った 「リオ!?」 「こいつ、連れて帰りますんで」 「えっ…いや、僕はまだ話しの途中…」 「雪花さん」 リオがママの名前を出した途端 パパは身体を震わし言葉を止めた 「…に報告していいんですか?」 パパは俯きうなだれている 「…失礼します。」 リオは更に私の腕を引っ張り無理やりたたせ もう片方の手でソファに置いてた私のカバンを手にとり 入り口に向かってズンズン進みはじめた 私は遠退いていくパパの方をもう一度見やると パパは悲しげな瞳でこちらを見つめていた
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