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「お前、いつまでそうしてる気?」
いきなりの聞き慣れた声に驚いて
思わず顔を上げた
「リオ!?」
「うわっブサイクな顔」
その言葉に私はとっさに俯き顔を隠した
「ったく、こんな路地裏に隠れやがって
探すの大変だったじゃねーか」
そう言いながらリオの声が近くなった
多分横に座り込んだのだろう
「…みんなは?」
俯いたまま鼻を啜りながら尋ねる
急なリオの登場への驚きかそれとも安心からか
溢れ続けていた涙は自然と止まっていた
「今日の所は解散するよう言ってきた」
「なんか…言ってた?」
尋ねる唇が震えるのがわかった
「何も。あいつらがお前がいないとこで
詮索とかしてくると思う?」
私は考えるまでもなく首を横に振った
伊達に5年間、友達をやってきたわけじゃない
みんなの優しさはよくわかってる
だからこそ、そんなみんなにずっと隠し事をしていたのが辛かった
「あいつら、きっと待ち続けるぞ
お前が自分から話してくんの
だから、気持ちの整理つけたら
さっさと言ってやれよ」
私は暫く考えてからコクンと頷いた
みんなに自分の家のこと話すのは不安だけど
ここまで知られたからには仕方がない
それに…ホントは聞いてもらいたい
私の本当の不安や悩みを相談したい
みんなのこと大好きだから…
そんなこと考えてた時に
リオが優しく頭を撫でたりしてくれるもんだから
また決壊した涙腺から涙が溢れ出してきた
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