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「じゃなんで就職?」
尋ねながらも美羽ちゃんの手はまたクッキーをおいかけ始めていた
「上手く言えないんだけど、早く社会にでて自立したいというかなんというか…」
頭の中で浮かんだ自分の考えに近い言葉を一生懸命拾っていると
「つまり漠然とそー思ってるだけって感じ?」
「うん…そんな感じです」
美羽ちゃんの言葉にしどろもどろと答える私
「サクラには気持ちわかんないなぁ
大学出たら社会に放り出されるって
考えただけでウンザリなのにさ」
つまらなそうな顔でクッキーを頬張りながらそう言う桜子に
「あんたは大人になっても親の金で豪遊してそうだけど?」
美羽ちゃんが冷たい言葉を浴びせた
「ひどーい、私だって大学卒業したら会社手伝うって約束してるもん」
頬を膨らませ応戦する桜子
彼女にとってこれが日常動作で
いわゆる『ぶりっこ』とは少々違うのだ…多分
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