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「私は女房役を勤めさせて頂いております、沙羅でございます。」
「女房……役……?」
頭を傾げながら聞き返している、りんが小さな子供のようでくすりと穏やかに笑って
「奥のお方の世話役です」
「あっ!御母堂さまのお世話役さまですねっ!
沙羅さまっ!」
「沙羅でよろしいですよ。りん様」
「えっ
りんでいいのっ
沙羅さまっ」
りんは様付けになれていないのか、様を付けられる事に頭を振って反対をした。
「それでも呼び捨てる事はできません……ですので……」
優しく言い聞かせるような沙羅の口調にりんは我が儘を言っている子供のように思えてきて、あまり了解はしてないもの
「は~い」
と呟いた。
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