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「アハ、アハッ……!」
光は不愉快そうにしていた。が、ニヤリと表情を変えた。
「原崎先生の事……だろ?文末の……」
「そうそう!『えー、はい。そうですね、はい。』ってね」
あ、言っちゃった。
「ん、コッホン」
咳ばらい?光じゃないしな……。
後ろを振り向くと、冷淡に微笑む先生がいた。
ヤバ……、絶体絶命て感じじゃね。
「あら、近藤君。私に用があるの?そうよね。例えば……」
「謝罪?」
うわっ、光の奴、答えやがった。この俺を裏切るのか!?
「そう、よくわかったわね、佐野君。あなたもそっち側なの?」
「滅相もありませんよ、先生。こいつ一人の責に……」
「先生、さよなら。光、行くぞ」
先生が口を開く前に、光の手を掴んで、校門の前のT地路を折れた。
「コラぁーッ!!」
あーあー、何にも聞こえない。新米の女教師の怒鳴り声なんて聞こえない。
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