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「宙、忘れそうだから、やっぱ俺が持ってく」
方位磁針の事、一か八か聞いてみよ。
「方位磁針って何に使うんだ?」
「んーと、迷った時の為?」
あやふやだな、おい……。ホントにこいつを信用して、山に行くべきか?
なんか、心配になってきたぜ。
「俺ん家に、2時集合。分かった?じゃ、後でな」
「分かった」
光は右折して、俺は真っ直ぐ進んだ。と行っても1ブロック先で光と同じように右折した。
光の家とは、結構近いんだ。
「にしても……マジにいいのか?」
あの山には、よく行った。小学生くらいのガキの頃は、虫取りなんかにな。
夏の夜には、肝試しやったり、蛍見つけたりした事もあった。
家に着いた。
「ただいまー。って、母さん、まだ学校か……」
光と行く度にハプニング的な事が起きちゃいましてね……。思い出すだけで、イタイイタイ。
とりあえず、着替えよう。
「ただいま」
母さんの声だ。俺はもちろん、答えなーい。
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