1章~何で登んなきゃいけないのよッ!~

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「宙、忘れそうだから、やっぱ俺が持ってく」 方位磁針の事、一か八か聞いてみよ。 「方位磁針って何に使うんだ?」 「んーと、迷った時の為?」 あやふやだな、おい……。ホントにこいつを信用して、山に行くべきか? なんか、心配になってきたぜ。 「俺ん家に、2時集合。分かった?じゃ、後でな」 「分かった」 光は右折して、俺は真っ直ぐ進んだ。と行っても1ブロック先で光と同じように右折した。 光の家とは、結構近いんだ。 「にしても……マジにいいのか?」 あの山には、よく行った。小学生くらいのガキの頃は、虫取りなんかにな。 夏の夜には、肝試しやったり、蛍見つけたりした事もあった。 家に着いた。 「ただいまー。って、母さん、まだ学校か……」 光と行く度にハプニング的な事が起きちゃいましてね……。思い出すだけで、イタイイタイ。 とりあえず、着替えよう。 「ただいま」 母さんの声だ。俺はもちろん、答えなーい。
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