1章~何で登んなきゃいけないのよッ!~

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「嫌、か?」 「嫌じゃないけど……」 あーあ、こいつの罠に引っ掛かっちゃったなぁ……。小学生の頃から、光は口が上手い。 「行くよね?」 「いいよ、分かった。行く!」 断言してしまった。光とおかしな事をするのは、正直言ってつまらなくはない。慣れないだけで。 「もちろん、つまらなくないよな?」 俺が聞くと、こいつ、腰に手なんか当た。おまけに片眉まで上げやがった。ピンクベストの例のあの人みたく……! 「俺を誰だと思ってる?」 「オードリーの春日?それとも、白菜(100歳)?」 天才(10歳)より、100歳の人の方が知識が多い。それで、光はたまに聞くんだ。 「はぁ?俺は15歳だけど?」 そう来たか。光は、馬鹿と言うのか、天然なのか……。繰り返し言うが、少なくとも一般的ではない。 「お前、馬鹿ぁ?何、白菜とか言ってんの? 俺は、佐野 光紅だ!」
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