1章~何で登んなきゃいけないのよッ!~

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こいつの言う事、毎回違うし。 こいつは馬鹿過ぎるのか、頭良すぎてわざと言ってんのか分からない。そこがよりどころがなくていいのかな。 「とにかく、俺を便りにしろ」 「えっ……?今、イントネーション違った……」 「そんな事、気にすんな」 ずっと光に振り回されっぱなしだった。 俺達の教室、1年3組に着いた。席は真ん中の列だった。前から2番目。後ろが光だ。 「理科の女の先生、何カップかなぁ……?」 あほみたいな事を言ってるから、チラッと振り向くと光の奴、にやけていた。 俺は、さっき貰ったばかりの歴史の教科書を丸めて光を叩いた。 「痛っ」 と、俺が叩いた場所を摩った。 「保健室の先生はどうなんだろう……?」 何事も無かったかのようにうつつを抜かしている。 ちょうどその時、ガラッと教室のドアが開いた。担任の、原崎 久美(ハラサキ クミ)先生だ。
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