王宮に集いし五人

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エルシアとアルタのやりとりを見て苦笑いしていると、 「荒上」 不意に後ろから呼ばれた。 振り向いてみると、鋼輝が腕組みをしてジッと俺を見ていた。 「かてぇなぁ。勝矢でいいよ」 「そんな事はどうでもいい」 俺がわざわざ優しくしたコミュニケーションを一蹴してきやがった… 俺は頭をかきながら鋼輝の方に体を向ける。 「そうですか…んで、なんだ?」 俺が鋼輝に尋ねてみると、腕組みを解き、スッと両目を閉じた。その時、 「―ッ!!」 キッと目を鋭く開け、鋼輝は右の突きを俺の顔面めがけて放ち、鈍い音が響いた。 「なっ、なんだぁ!?」 「…!?」 後ろで風羅や蒼菱、その他みな驚きの声を上げた。 アルタに殴りかかろうとしたエルシアも動きを止め、俺たちに目を向ける。 「………いきなりだな」 冷や汗を一筋ながし、呟く。 眼前で迫ってくる突きを左手で受け止め、受け止めた拳から鋼輝の顔へと視線を変える。 「…ずいぶんとまあ、お強くなりましたなぁ、鋼輝さん」 「…ふん」 鼻で笑った鋼輝は右手を戻し、俺も左手を下ろした。 「もう少し本気でやれば、貴様の手ごと顔面に叩き込んでやる事も出来たんだがな」 鋼輝は正に自信に満ちたような笑みを浮かべて言ってきた。 「だろうな。さっきのでな~んとなくそう思った」 「貴様も、随分と腕を上げたようだな…」 「"あれから"すぐにいろいろあって、必死こいて頑張ったからな。でも、今やったらわかんねえかもな」 「わかるだろ?俺が勝つって事を」 「言うねぇ鋼輝くん」
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