王宮に集いし五人

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「………」 鋼輝は黙って、俺から後ろにいるみんなに視線を移した。 「……あの2人か?選抜者は」 「ああ。龍瀬 風羅に蒼菱 舞葉だ」 鋼輝に後ろの2人の名前を教える。 俺も目を向けてみると、蒼菱は頭を下げて一礼した。 「蒼菱 舞葉、よろしく。アナタは?」 「京連 鋼輝。選抜者に選ばれたって事は、そこそこできるんだろうな?」 「もちろんよ。試してみる?」 蒼菱は腰に差してある日本刀の柄に手をかけ、ニコッと挑発的に笑った。 「……構わねえが、女だろうと手加減はしないぜ?」 鋼輝もニタリと唇を歪め、蒼菱に視線を送る。 2人の間からビリビリと闘気のような物が肌に伝わってきた。 …まさか、マジでやるつもりじゃねーだろうな。今から天界の王様に会うんだぞ? 「す、ストップ2人とも!また今度にしろよ!なっ?今はやめとけ」 俺は2人の間に入ってやめるように言う。 真ん中に挟まれてるから2人から威圧感がビンビン伝わってくるんですけど… 「……荒上がそう言うなら…」 「…ふん」 蒼菱は柄から手を離し、鋼輝も両手をズボンのポケットに入れ、視線をそらした。 フゥ…とりあえず、よかったよかったぁ… 「……よう。俺の事覚えてっか?」 今度は風羅が鋼輝に、いかにもケンカを売るような態度で歩み寄っていった。 鋼輝は目だけを風羅に向ける。 「………知らねえな」 鋼輝の態度にカチンときたのか、風羅は眉間にしわを寄せ、目を三角にして鋼輝を睨んだ。
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