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「でもさ、選抜者のパートナーに選ばれた時、ここに来なかったのか?」
「通達があったから……じかには来てない」
そうか、マインは選抜者のパートナーだけど、元は普通の一般人だったのか…なら場所わかんねーわな。
なら、他に誰が知ってる?
………あっ。
「リン。お前集合場所わかるんじゃねえか?」
そう。天界にある戦闘部隊の料理班に所属し、意外にもコック長であるリンなら、王宮の中がわかるかも知れない。
「ああ。わかるぞ?」
ほら。やっぱり。
「案内してくれよ」
「ああ、そうだな。んじゃ、付いてきてくれ」
案内係りがリンに代わり、先頭を歩くリンに付いていく。
中央の広間を通り、長い階段を上がっていく。
上がりきると、少し離れた所に大きな扉が見えてた。
その前に、遠くてはっきりと見えないが、二人の姿が見えた。二人とも全く見覚えがない。
もしかして、アイツらが………
はやる気持ちを抑え、リンに付いて扉に向かっていく。
「……おっ?」
近付いていくと、姿がはっきりと見えてき、二人も俺たちに気付いたようで振り返った。
「………ハァ、やっと来たか…」
頭をポリポリとかきながら、ダルそうな感じが一目でわかるほどにダルそうな男が口を開いた。
「ぎょうさん来よったなぁ。アンタらが選抜者と、そのパートナー?」
それに続くように、大きな黄色の髪留めを黒真珠のように綺麗な前髪に止めた、肩にかかるくらいの髪をした、関西弁の女がマジマジと俺たちを見てきた。
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