4181人が本棚に入れています
本棚に追加
『!!?』
その光景に、俺たちは目を見開いた。
波瑠の拳銃を見ただけで、一瞬にして鳳力で同じ形をした拳銃を作り出しやがった…
だが、そんな状況にも波瑠は、
「……ふふ」
小さくも確かに、笑った。
波瑠の笑みを不信に思ったカシルを含む俺たちなどよそに、波瑠は拳銃を突きつけられながらも笑う。
「…すっごいなぁ、見ただけで同じモン作るなんてな。………でもな?」
―ガギィィン!!
突然波瑠は左手に持つナイフを振り上げ、固い物がぶつかる音を響かせてカシルの持つ拳銃を腕ごと弾いた。
「!?」
「所詮似てんのは、"形"だけや」
驚いたカシルは体がよろけ、そんなカシルの腹に波瑠は右蹴りを叩き込んだ。
「うあっ!!」
女にしては強力な蹴りを受け、カシルは床に転がった。握っていた拳銃もその拍子に手から離れ、ガラスのようにパリンと割れた。
「ゲホッケホッ!」
「…アンタが作った武器、あれってイメージで作り上げてんねやろ?」
床に伏せながら腹を両手で押さえて咳き込むカシルに、波瑠は見下ろしながら言葉を放る。
「剣やら槍やら、見た目でどんなモンかわかるモンならイメージして作って自分の武器にできる。けどアンタがウチの銃見た時、これは何か、どういう物かって聞いてきたな?つまり、アンタは初めてやったんや、コレを見んのを…」
―バァァン!!
淡々と話していた途端に、訓練場内に乾いた破裂音が響き、肩を震わせて飛び上がる。
波瑠が固い床に向けて、拳銃を発砲したのだ。床には、弾丸がめり込んで辺りに亀裂が走っている。
最初のコメントを投稿しよう!