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「初めて見たら拳銃は外側からじゃどんなモンかわからん。かと言ってさっきアンタにゆぅた説明じゃ、構造は全くの不明や。"拳銃の形をした塊"ってわかってたら、なんも怖ないわ」
「……くっ…」
口元に笑みを浮かべながら、咳き込むカシルに言い放った。
理屈じゃ確かにそうだけど…そんな事一瞬にして見破った波瑠に感心してしまう。
「……凄いですね、波瑠さん」
俯きながら体を起こし、ゆっくりと立ち上がりながらカシルは言った。
「アナタの言う通りです。確かに、ボクはその拳銃という物を初めて見ました。けど、これでもボクは戦士です」
右手に灯した光から、再び波瑠と同じ拳銃を作り出し、それを波瑠にではなく、遠くの灰色の壁に向ける。
拳銃の先、銃口に青白い光が集中し始めたと思った、その時
―ドォンッ!!
青い光線が、小さなボディからとてつもない速度で放たれ、灰色の壁を破壊し、炸裂した。
壁の破片や瓦礫を撒き散らして上がる煙を、波瑠、俺たちも、目を点にして冷や汗を伝わせながら見つめる。
「アレンジぐらい、簡単ですよ」
ニコッと可愛く笑ったカシルの笑顔を見つめ、波瑠は口を開けたまま固まる。
「あ、あれウチに撃とうとしたんか?」
「加減はするつもりでしたよ」
「……あ、あはは…」
波瑠の口から、乾いた笑い声が出る。
しかし、波瑠の眼の光は弱まらない。
「そうやな…その方がおもろそうや。…んじゃ!続きや!!」
「はい!」
カシルの返事瞬間に、両者は手に持つ拳銃の銃口を相手に向ける。
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