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「はいストップ~!!」
「うお!?」
引き金を引こうとした瞬間、部屋中に大きな声が響き、波瑠はいきなりの事に体制を崩す。
ストップをかけた声の主はもちろん、シーリンさん。
「お二人さん、お終いだよ~!」
「ちょっ!ちょい待ちいや!!こっからおもろくなりそうなんやで!?」
シーリンさんの発言に、すぐさま波瑠が抗議の声を上げた。
「ボクも見たかったんだけどね?そのままやっちゃったらとんでもない事になっちゃうからさぁ」
「とんでもない事ぉ?」
波瑠は怪訝な、そして、不満いっぱいの膨れっ面で言葉を返す。
「キミの相手のカシルくん。加減するとか言ってたけど、彼ね、一切加減できないタチなんだよ」
「あ~?」
「だから、あのままやらせてたら波瑠ちゃん、ヒドい目にあってたという事だよ」
シーリンさんが説明し、言われているカシル本人は面目なさそうに顔を曇らせる。
「波瑠ちゃんの実力も、鳳力に対する精神の強さもわかった事だし、お終いだよ」
「んなもん知るかい!!せっかくテンション上がってきてここからやったのに、いきなりストップかけよってほんまぁ!!キン〇マ蹴り飛ばしたろかアホォ!!」
癇癪を起こした波瑠は怒鳴り散らしながら、音声だけのシーリンさんに向けて怒りを露わにする。
ダンダンと地団駄を踏みながら暴言を吐く波瑠に、音声先のシーリンさんは閉口してしまっている。カシルですら冷や汗をかいて後ずさりする。
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