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「…うっわ~、おっかねぇな~…」
隣で冷や汗を滲ませながら、風羅がポツリと呟く。
「勝矢ぁ、ちょっと波瑠ちゃんとめてこいよ」
「…何をおっしゃっているのですか風羅殿…」
真顔で風羅にそんな事を言われた。
「ほら、行ってこいよ勝矢。次の人が戦えねーだろ?」
「マジで言ってんのか!?無理だろ!めっちゃ怒ってんじゃん!!」
「人は時として身を犠牲にしてでも誰かを止めねばならないんだよ」
「カッコよく言ってるつもりだろうけど全然カッコよくねーからな!?お前が行けよそこまで言うなら!!」
「いや…俺ほら…ねえ」
「ねえ、じゃねーよバカ!!」
「とぉにかく!勝矢!行けっ!!」
「だから!なんで俺………」
「荒上、ファイトよ!」
「蒼菱まで!!?」
「…人柱だ」
「死ぬのか!?俺波瑠の怒りを沈めるために死ななきゃなんねーのか!!?つか鋼輝テメーこの状況を若干楽しんでねーか!?」
「ゴチャゴチャ言ってないで行ってこ~~い!!!」
「どあぁ!!」
風羅に思いっきり背中を突き飛ばされ、その衝撃で前に押し出された。
よろけて進むと、少しまでまだ暴言を吐き捨てている波瑠がいた。
横目でカシルを見てみると、何故か頷かれた。行けって言ってんのか?あの小僧……
チクショウ、やるしかないのか……
「は、波瑠…?」
恐る恐る声をかけてみる。
今俺、めちゃくちゃ勇気だした気がしたよ。
「あ゙あっ!!?」
波瑠が振り返った。青筋を額に浮かばせ、片方にナイフを、もう片方に拳銃を握ったまま、鋭い目つきで振り返った。
…………こ、怖い……
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