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「あ、あのさ…お前の戦いは終わったんだからさ、もういいんじゃーか?」
「まだやりたりんゆーてるやろうがぁ……」
「……み、みたいですね…」
波瑠の殺気にも似た威圧のこもった睨みに圧されてしまい、波瑠から視線を逸らす。
そのまま後ろに振り向き、風羅に目線で俺の意志を送る。
『無理だ風羅!!俺じゃとめられん!!』
『知らん!!強引でもなんでもいいからとめろ!!』
(むちゃくちゃだ……)
まさかの続行を告げられた俺は肩を落としながら波瑠に視線を戻す。
「波瑠。戻ろうぜ?」
「しつこいなぁ…なら、勝負しぃ。アンタが勝ったらやめたるわ」
波瑠はそう言って、ナイフを俺に向けてきた。
………コイツ、マジか…?
なんか、いつもと態度が違う気がするんだけど…
「………わかった」
「………」
「……さいしょはグー!!」
「えっ!?」
「ジャンケンポン!!!」
「うわっ!」
俺が言うと同時に、波瑠は慌てて手を出した。
俺はチョキで、波瑠はパー。
「はい、俺の勝ちだな。戻るぜ波瑠~」
「ちょっ!ちょい待ちや!!ジャンケンてなんやねん!!」
「勝負ついただろ?ほら行くぞ」
俺は波瑠のナイフを持った手を掴み、半ば強引に引っ張って歩き出した。
波瑠は文句をいいながら、必死に抵抗しようともがくが、俺は離さない。
離したら……刺されるかもしれないからな…
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