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「おう勝矢!お疲れ~……イデッ!?」
波瑠に続いて戻ると、風羅がバカにしたようなニヤニヤ顔で言ってきたため、拳骨をくらわす。
「さて、次は誰の番かねぇ…」
「えっ、俺なんで今殴られたの?…オグッ!…な、なんだよ勝矢さっきから!!」
ギャアギャア文句を言ってくる風羅を無視し、俺は黙って向こう側の扉を見つめる。
すると、タイミングよく扉が開かれた。
そこから出てきた次の人は、すらっとした身の細い女。
綺麗な栗色の髪を頭の左側で束ね、ひとくくりした大人の雰囲気を漂わせた女性だ。
「蒼菱 舞葉ちゃ~ん、やりましょうか~」
「次は私の番ね…」
女の言葉に間髪入れずに 蒼菱は前に出て行った。
「とりあえず、お手柔らかにお願いするわね。舞葉ちゃん♪」
「お手柔らかにっていうのは…ちょっと無理かな?」
腰に差した日本刀を握りながら、蒼菱は薄く笑みを浮かべながら呟いた。
「あら、どうして?」
「アナタから、ただならぬ雰囲気を感じるもの」
「…………ふふ」
蒼菱の言葉に、女は小さく笑った。
「見た目通り、アナタ なかなかできそうね」
「それはどうも。………早速だけど、お相手してくれるかしら?私、結構疼いてるのよね……」
ゆっくりと、銀の光を反射する美しい刃が鞘から抜かれ、全貌を露わにする。
蒼菱は刀を左手に持って強く握り、女を見据える。その眼に映る女も、笑みを浮かべながら一歩前に歩み出てくる。
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