力試し

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「アナタとは、気が合いそうね」 口を開くと同時に、女は真っ直ぐに手を体の前に伸ばし、掌(てのひら)に鳳力の青白い光が集まっていく。 それは少しずつ形をかたどり、女はそれを握る。 握っている柄のような部分から、先端にかけて細くなっているステッキのような物を左右に振り、床に突き立てる。 「あたしの名前はミージェ。仲良くしましょう?」 ニコッと笑みを投げ、名乗る女、ミージェ。 その笑顔を見て、俺は小さな違和感を感じた。 …あの人、どっかでみたことあるような気がする…… 「…それじゃあ、始めましましょか?」 「よろしく頼むわ、ミージェさん」 蒼菱は日本刀を両手で握り、ミージェはステッキを右手で持って真っ直ぐに蒼菱に向けて構える。 少しずつ摺り足で近づいていく蒼菱の表情は固く、ミージェを警戒するように緊張感が貼りついている。 それとは打って変わって余裕すら見せるミージェは 微笑みながらそんな蒼菱を見つめる。 「………」 「………」 お互いが無言で見つめ合う、その時、 「―ッ!!」 ぐっと体を沈め 蒼菱は刀を構えて駆け出す。 それにすかさず反応し、ミージェは右手を軽く振り、ステッキを振るう。 「…ッフ!」 一直線に突っ走りながら蒼菱は刀を、風を切り裂き 真上から振り下ろされる。 ミージェはそれを軽く 細いステッキの先端で受け止め、そのまま刀を滑らせるようにいなした。
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