力試し

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シーリンさんが終了を宣告したのに、何故か蒼菱は戻ってこようとしない。 刀を握ったまま、黙って立ち尽くしている。 ……おい、まさかお前もか? 「蒼菱さ~ん。終わりましたよ~」 試しに蒼菱を呼んでみる。 「………納得いかない」 ああ…お前もか… 「蒼菱ぃ。終わったんだから戻ってこ~~~い」 「まだやれるわよ!!」 こっちに背を向けたまま蒼菱は声を張り上げ、収まらない闘志を剥き出しにする。 「舞葉~!はよ戻ってきぃやぁ!終わったんやで~!!」 波瑠…お前が言うのはどうかと思うのだが…? 「……もぅ…わかったわよ」 少し考えたのか、しかしすぐに諦めたのか蒼菱は刀を鞘におさめ、クルリと体の向きを変えて歩き出した。 「………ミージェ!」 「…?」 戻っていく蒼菱の後ろ姿を見つめていたミージェに、少し悩んだが声をかけてみた。 「あら、どうかしたの?勝矢くん?」 その名前の呼び方…誰かに似てる気がするんだが…… 「あ~……腕、大丈夫か?」 言葉に若干詰まったが、とりあえず何か話さなくてはと思い聞いてみる。 すると、それを聞いたミージェは驚いたのか一瞬眼を見開き、すぐにクスリと笑った。 「大丈夫よ~! 聞いた通りの子ね、勝矢くんは♪」 「聞いた通り……ミージェ、フルネームは?」 「ミージェ・アラム。アナタの知ってる、ミリー・アラムの姉よ♪」 それを聞き、居心地の悪いモヤのような物が一瞬で消え去った。 言われてみりゃあ…確かにミリーに似てる。つか、髪型以外はそっくりだな。
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