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「………うわっ!」
笑って手を振ってドアに消えていったミージェに視線を送っていると、眼の前に突然銀色の何かが遮ってきた。
自分の眼をそれから視線を横に逸らしていくと、
「……うっ!」
身の毛もよだつような鋭い眼で真っ直ぐに俺の眼を捉えている蒼菱。
何故そんな眼をされているのかわからないんですが…?
「……な、なんで睨んでるの?」
「…………アンタ、私よりアッチの心配すんのね…」
「い、いやそういうわけじゃねーんだよ。ただちょっと気になってたっつーか……」
「気に…なってた?ほ~……」
「いや、別にそういうわけじゃ…………ん、つか、どういう意味だ?」
「斬るわよアンタ」
「なんでだよ。と、とりあえず刀下ろして?」
言われてスッと鞘にしまったが、まだ蒼菱は俺を睨みつけてくる。
何故こんなに睨まれるんだ?俺…
「そういや、勝矢ってさ…」
突然風羅が何かを思い出したような口振りで口を開いた。
「勝矢って、意外にムッツリなとこあるよな」
「…………」
…いきなりなんてことを言い出すんだこのバカヤローは……
「……確かにそうね」
「ぬっ!あ、蒼菱まで?」
つか、俺ってムッツリなのか!?
蒼菱がウンウンと頷いている所を見つめながら、テンションがた落ちしてリアルに落ち込んでしまう俺。
そんな俺を見て笑っている風羅に殺意にも似た感情が湧き上がってきた。
思いっきりぶん殴りってやりてー…
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