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―ゴシャァッ!!
その鋼輝が見つめる先で、血を口から滴らせているディングの拳が 大きな破壊音とともに床を砕いた所だった。
もしあのまま鋼輝が突っ込んで行っていれば、頭の上からあの岩みたいな拳が叩きつけられてたかも知れない。
あの一瞬であれがくると見切ったのか……さすがと言うべきだな。
しっかし、あの野郎…、
「………」
全く息切れしてねえ。汗一つかいちゃいない。
床に血を吐き、口元から流れるそれを手で拭って姿勢を整えるディングも、息を切らしていない。
お互いまだ余裕がある証拠だな……でも、おしてるのは鋼輝だ。
アイツ、前に俺とやった時よりめちゃくちゃ強くなってやがる…。
「……フーー…」
ゆっくりと息を吐き出し、ディングの両手に青白い光が纏われていく。
眩しい光の中から現れたのは、手先から肘までを覆う 青く輝く装甲。
「……行くぞ」
「…!!」
そう口にした途端、先ほどとは比べものにならないスピードで鋼輝に真っ直ぐに突進をしかけた。
小さく驚いた鋼輝はバックステップし、迫るディングから後退して両拳を固める。
さらに加速するように、ディングは強く床を蹴って鋼輝との距離を詰めていく。
「……ふん」
後退した勢いを踏ん張って一瞬で殺し、鋼輝は体を沈めて前に出た。
少し驚いたようだが、構わずディングは鳳力で創られた硬い装甲で纏った腕を振るう。
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