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鋼輝と波瑠のやりとりを見ていた俺は、視線を外して向こう側の扉に向けた。
「次は、勝矢の番だな!」
不意に、風羅がそう口にした。
「ああ。最後ってのはイヤだったけどな…」
「いいじゃんか、最後にすげーの見せてくれよ!」
そんな事言われてもなぁ、俺の前に鋼輝があんなすごい戦いしてたし、あれ見ちまった後だから気が重いな…
気ぃ引き締めて、全力で行くしかないか……
「はいは~い、こちらシーリンさんですよ~!」
気合いを入れて待っていると、突然シーリンさんの声が響いた。
何事かと耳を傾け、シーリンさんの次の言葉を待つ。
「お疲れ様、選抜者のみんな!実力も精神力もすごいし、とりあえず、ボクの眼に狂いがなければ、みんな鳳力をモノにできるはずだよ!
しばらく体を休めて、また後日王宮に来るように!そこでサイレス様から『ホーリー・クロス』をくれるはずだよ!今日はもう解散!」
「………」
長々と話されて、全く頭に入って来なかった。けど、これだけはわかった。
……お、終わり?
「えっ…ちょっシーリンさん!?終わり!?じ、じゃあ俺は!?」
俺は慌てて声だけのシーリンさんに尋ねる。
「ああ。勝矢くんはやらなくていいよ」
「な、なんで!?」
「キミはボクの家でボクとやったからね。あれでわかったからもうやらなくていいんだよ」
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