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「…………」
という妄想だった。
俺はすぐに引き返そうと回れ右をした。
そしてドアノブを捻ろうと手を伸ばし、何故かごつごつした何かとぶつかった。
何だろう、と目を凝らすまでもなくそれは石で出来た壁だった。
ドアノブどころか、ドアがなかった。
「…………は?」
いつから俺の家は石造りになったんだろうか。いつから俺の部屋は、壁を壊さないと入れなくなったんだろうか。
いつの間にか壁どころか床も天井も石造りにリフォームされている不思議に首を傾げつつ、俺は再度回れ右をする。
相変わらず、金髪の女の子は立っていた。
それも何やら、かなり不機嫌そうだった。
そこで俺は思い出す。ああ、そうだ、すっかり忘れていたと。
その女の子は俺の妹だった。
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