第一章 クリトピエム

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 太股が半分以上露出している短い紺色のスカートに、袖にひらひらがついた白のワイシャツ、そしてスカートと同じ紺色のニーソックスに靴は黒いローファー。その上に地面を引きずるぐらい長い黒色マントを羽織って、道路上でよく見掛ける三角コーンみたいな黒いとんがり帽子を被った彼女は、何処をどう見ても魔女だった。  彼女は赤いリボンで括った金色のツインテールをぶるぶると震わして、綺麗な紅い瞳でこちらを睨む。  雪のように白い頬を怒りで紅潮させて、眉間にしわを寄せている姿は案外可愛かった。とか言ってる場合ではない。
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