第一章 クリトピエム

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「おい待て、落ち着け。話せばわかる。だからそんな殺気のこもった眼で俺を見るな。あんまりふざけた展開過ぎたから動揺してたんだ。別に悪気があったわけじゃない」 「そう。で、死ぬの? それとも私が殺すの? どっち?」 「どっちもお断りだ!」  はい、聞く耳なし。  彼女はどうやら相当怒っていた。  ぱっと頭に浮かんだ『アンジェリカ』でそのまま彼女を呼んでしまったのが原因なのか、それとも俺が自暴自棄に『お兄ちゃんだぞ』なんてほざいたのがいけなかったのか、多分両方なんだろうがとにかく殺る気満々だった。  こいつ、果てしなく心が狭い。  それにしたって怒り過ぎだと思う。俺はあたふたしながらも必死に打開策を考えつつ、後でカルシウムの摂取を勧めることにした。
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