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俺は回想から帰り、急に恥ずかしくなる。
その時、キリカの様子が何時になく真剣だったので、直後に俺も真剣な言葉を返した。
そしてその台詞が問題で、その台詞は多分生涯最高にイタイ台詞だった。
しかも、そんなキザな台詞を俺に吐かせた当の本人は結局失踪し、何の抑止力にもなってなかった訳で……。
「…………」
半年経った今日、晴れて高校生となったこの時の俺はまだ、知るよしもなかった。
そのイタイ台詞が、全ての始まりだったことに。 数時間後に自分が立っている場所が、何の変哲もない平凡な公立高校の校舎の中ではなく────訳のわからない中世風味の建物の中だということに。
俺はキリカが失踪する直前、こう返した。
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