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私めの憂鬱には気づかずに、魔王様はにんまりと満面の笑みを浮かべているのでございます
「よし、これで準備は整ったな!」
ああ、これからどうなるのでございましょうか
これからの事を考えると目の前が真っ暗になる気がいたします
そんなこの場に現れたのは
魔王様のお目付け役たるインキュバス様でございました
きっと魔王様が呼び出していたのでしょう
インキュバス様の表情も冴えません
私めと目が合うと
お互いにお互いの境遇を憐れむ視線でございました
同類相憐れむというやつでございます
「インキュバス、俺はこれからしばらく日々の疲れを癒してくる。
代理にこいつを置いていくから、俺の仕事はこいつにやらせとけ。
わかったな?」
「……………御意」
言いたいことは沢山あるのでしょうが
魔王様には言うだけ無駄というものです
せめてもの抵抗に返事をするまでに間を持たせたのでしょう
インキュバス様は疲れた表情をしておいででした
こうして、
私めの影武者生活が幕を開けたのでございます
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