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あれ呼ばわりされた土方は、淡々と告げてくる。
「よ~してめぇら、横一列に並べ。俺が一人づつ介錯してってやるから今すぐ切腹しろ」
すっ……と、静かに右手をあげる沈痛な面持ちの永倉に、土方は目を細めて見やる。
「何だ永倉、拒否は認めねぇぞ」
「副長……橘は女子で武士でもない以上、切腹は無理かと思います」
「なら、お前が代わりに二回切腹しろ」
あっさりと問題は解決。
そこに笑顔で総司が、
「じゃあ一回も二回も同じ事ですから、私の分もお願いしますよ永倉さん」
「あっ! ぱっつぁん俺の分も!」
「ありがとう永倉さん……グス……私忘れませんから……グス……永遠に……グス……多分」
「止めろ! いつの間にか俺一人だけが死ぬ展開に話を持っていくのは! ちなみに橘、それ嘘泣きだろ!! しかも多分って!?」
てへ、バレちゃった――と碧がぶりっこしたところで永倉より土方の怒りが増した。
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