告白

3/3

4人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
私は頷いた。 彼が私を抱きしめた。 私も彼の背中に手を回し、彼の胸に顔を埋めた。香水?多分…クールウォーター?の良い香りがうっすらとした。あんなに苦しかった胸のドキドキも、今は、心地よく感じられる。 「そろそろ送るよ。」 しばらくして、彼は言った。 「うん。」 私の家は、飛永くんの家から学校方面に5分ぐらい歩き、角を右に曲がり、さらに15分ぐらい歩いた所だ。 遠いから、角までで良いと、飛永くんには言ったが、夜9時を回っており、暗いから、家まで送ると言ってくれた。 今夜は、星がとてもきれいな夜だった。 「明日も晴れればいいな~。」 彼は言った。 「紗胡ちゃん、明日の夜空いてる?」 「うん。」 「明日、大水たちと天体観測会の予定なんだ。来れる?」 「うん。行く!」 私は答えた。 「良かった…。断られたらどうしようかと思った。」 そう言って彼は、笑った。 その後も、家に着くまで、いろんな話をした。星座のこと、大水くんのこと…。携帯番号も交換した。 家の前に着くと、また、彼は私を抱きしめた。 そして、また明日と言って別れた。 部屋に戻ると、携帯が鳴った。彼からの着信だった。 「紗胡ちゃん?ごめん…。もう少し話したくなって(笑)」 電話に出ると、彼は言った。 「私の方こそ、遠いのに送ってもらっちゃってごめんなさい。」 「そんなの気にしないでよ。これから毎日だって送り迎えしてもいいぐらいだし(笑)好きだよ。紗胡ちゃん。」 「私も飛永くんが好き。」 そんな、他愛もない話を、飛永くんが家に到着するまでした。 「今、やっと部屋の中に着いたよ。今日は、ありがとうね。楽しかった。大水にも感謝しなきゃなぁ。」 「私こそありがとう。私も楽しかった。」 「じゃ…。明日、夕方迎えに行くから。電話するね。じゃ…、おやすみ、紗胡ちゃん。」 「うん。おやすみ。」 そう言って、電話を切った。そして、眠りに着くまで、ずっと飛永くんのことを考えていた。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加