天体観測会

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いつのまに来たの? そういえば、片方のバルコニーは、隣の家とつながっていた。大水くんの望遠鏡がある方だ。そういえば、大水くんんちは隣だっけ。なるほど。 「じゃ、紗胡ちゃん。みんな揃ったし、まず、お好み焼き大会始めようか。」 飛永くんが言って、大水くんたちも、ホットプレートの回りに集まった。 みんなそれぞれ、お好みの材料を混ぜ合わせ焼き、それぞれの味をみんなで分け合いっこして食べた。 大水くんと飛永くんは、あいかわらず、ふざけ合っていた。私は、真理子ちゃんといろんな話をした。真理子ちゃんは、調理師免許を取るために、私とは、違う高校に通っていることを知った。将来はパティシエになりたいんだとか。将来のことを今から考えてるとか凄いなぁと思った。 みんなのお腹が満腹になったころ、時計は、7時近くになっており、辺りももう真っ暗になっていた。 大水くんは真理子ちゃんを、飛永くんは、私を呼んで、それぞれ、スターウォッチングが始まった。 飛永くんは、獅子座流星群、夏の大三角、アンドロメダ銀河(M31)など、秋の夜空に見える星を次々と教えてくれた。 「さっき、真理子ちゃんと何、話してたの?」 ふと、飛永くんは、聞いてきた。何かを気にしているようだった。私は、飛永くんが気になっている、その何かについては、もうすでに、真理子ちゃんからは聞いていた。真理子ちゃんは大水くんと付き合う前に、飛永くんと付き合ってたことは言っていた。それが上手く行かなくなって、大水くんと付き合うまでの間の、大水くんと飛永くんの不仲状態のことも聞いていた。でも、私は、まだ、飛永くんの口から、過去の恋愛については聞く勇気がなかった。だから、それについては触れなかった。 「ん~と。私達とは違う高校だってこと聞いた。」 飛永くんは、答えた。 「アイツのせいなんだよ。真理ちゃんの成績落ちたの。アイツは、勉強しなくても、そこそこ良い点が取れるんだろうけどさ。」 「でも、真理子ちゃんは、調理師なりたいって。」 そう言って、飛永くんは、大水くんの方をチラリと見た。私もつられて、大水くんの方を見た。抱き合ったりキスしたりとイチャついていた。
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