4人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
「真理ちゃんは優しいよ。」
しかし、こないだは、怒鳴ってたのに、怒る様子もないので、私は、不思議そうに飛永くんを見つめてしまった。
「ん?どうかした?」
と、飛永くん。
「こないだは、怒鳴ってたのになぁと思って。」
「あ~。…。あれか?いつものことだし。こないだは、俺、イライラしてたから。真理ちゃんの成績もあれが原因なんだよ、きっと。」
そう言って、飛永くんは、私をバルコニーの隅の方に呼んで、床に座らせた。
「…。ごめんね…。せっかく誘ったのに不愉快な思いさせて…。」
しばらく、飛永くんは望遠鏡をいじっていたが、私の横に腰かけた。
私は、飛永くんの右手にそっと私の左手を載せた。
飛永くんは私を見た。私も、飛永くんを見た。
「……キスして良い?」
私は、頷いた。
私達は唇を重ねた。
「好き…。」
私は言った。
彼も「俺も…。」
私達は、もう一度キスをした。
「おまえら、いつからそんな関係に…。」
驚いて、私達は離れると、
大水くんはそう言って、ニヤニヤと窓から覗いていた。
赤くなる私達…。
「俺ら帰るからさ…。なんか、盛り上がって来たし。おまえらもこれからやんだろ?」
「おまえとは違うよ…。」
大水くんと真理子ちゃんは帰って行った。
彼は私を見て恥ずかしそうに行った。
「…ごめん。」
私は、首を振った。
「…送るよ。」
飛永くんは言った。
飛永くんの家からの帰り道。
飛永くんは、私の一歩先を歩いている。
私は、飛永くんの手を握った。
最初のコメントを投稿しよう!