急接近

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急接近

次の日――――。 朝、教室に入ると、飛永くんが、親友の大水くんと仲良く話している姿が目に入った。ふと、彼と目が合った……。 目を離せずに困っていると、彼は「おはよう。」と声をかけてくれた。私も、「おはよう。」と返し、そのまま自分の席についた。そして、教科書などをゴソゴソと机の中に入れたりしていると、ふと視線を感じ、顔を上げると、不思議そうにこちらを見ている大水くんと目が合った。すぐに、大水くんは飛永くんに頭を叩かれ向き直っていた。 その日の3時限目。生物で移動教室だった。前回、クジ引きで席替えをして、その席が今日発表されることになっていた。 生物室の黒板に座席表が貼り出され、それぞれ確認し、席に着いた。 「…へぇ…。一緒のテーブルってわけか…。」 座席表見ていると横から声がし、ふと、横をみると、大水くんがにっこりとし、私を見ていた。 4人1テーブルで向かい合わせで、私と恵梨と飛永くんと大水くんとなっていた。 「紗胡!一緒だね!」 と、恵梨。 私達が席に着くと、後から、飛永くんが 「よろしく。」 と向かいに座った。 飛永くんと目が合い、私は慌て「よろしく。」と頭を下げた。 「飛永くんって、いつから空手してるの?」 「う~ん。10年位かな…。」 「ふ~ん。それで、すごいんだ…。」 「うん。コイツ、中学で県大会3位してる。」 と、大水くん。 の茂った木陰で、見上げると緑の葉の隙間からキラキラと陽射しが輝き、綺麗なところだった。 大水くん達と合流し、一緒にランチをした。 「飛~?何?女の子誘うって珍しくない?」 大水くん。 「ん~。何となく。」 と、飛永くん。それ以上は追及させまいというように、飛永くんは、私の方に向き直り、 大水くんとは幼なじみであることとか、昔から、格闘技には興味があって、高校来たら、格闘技部があって、珍しいから入ってみたということを教えてくれた。 私も何か話さなきゃと思い、格闘技のことをちょこちょっと聞いて見たりした。 時間はあっという間に過ぎ、昼休みは終わり、私達は、教室に戻った。
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