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ドンジャラをやっている間も、飛永くんは、私と一度も顔を合わせようとはしなかった。
飛永くんがリーチとなり、大水くんの負けが見えたころ、大水くんはドンジャラのパイをかき混ぜ、グチャグチャにした。そして、大水くんは、彼女にイチャつき始めた。そして、大水くんは彼女にキスをした。その時、
「帰れ!」と、飛永くんは大声を上げた。
大水くんは素直に帰ろうとした。私も、帰ろうとしたが、大水くんは私には残るように言った。
大水くんは帰り際に、飛永くんに「明日だぞ!」と言い残し、彼女を連れて帰っていった。
二人きりになったが、お互い、気まずく、沈黙が続いていた…。
私は、うつ向いていた。私は帰ろうかとバックに手をかけようかとしたところで、
彼が口を開いた。
「俺、もぅ、我慢できねぇ……。」
私は、驚いて、彼を見た。彼は、真剣な顔で、私を見つめていた。彼は、一度、目を閉じ、もう一度、私を見つめ、言葉を続けた。
「今日は、ごめん。いきなり、キスしたりして、ごめん。自分でも、わけわかんなくて。だけど、……。」
彼の言葉が止まった。
彼は、目を伏せた。が、しばらくすると、また顔を上げ、また、私を見つめると、
「好きなんだ…。紗胡ちゃんのこと、好き…なんだ…。」
私は、思わず
「…私も…。」と口にしていた。
彼は、驚いたように、もう一度、私を見た。
私は、ドキドキするのを抑えながら、彼を見つめ、もう一度口にした。
「私も、飛永くんのことが好き…」
「マジで?マジで?俺、どうしていいかわかんないけど…。けど、マジで嬉しい。」
と、喜んでいる彼。
「…しめていい?抱きしめていい?」
彼が言った。
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