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「ふうん……」
なかなか考えているじゃない、と呟きながら札を放つ霊夢。
違う装備でくれば良かったかなとも思いながらも、自ら枯葉に突っ込んでいくことにより枯葉の変化する範囲を狭めて躱していく。
落ちながら不規則に変化するのだから落ち始め、つまりは変化する前に躱してしまえばいい話なのだ。
「前に出てくるなんて正気の沙汰じゃないわ! もう勝負を捨てたのね!」
「貴女、馬鹿ね。自分の技の弱点や欠点くらいは把握しておきなさい」
勝ち誇るねねに笑顔で札を放つ霊夢。変化する前の枯葉と枯葉の間を潜り抜けながら直線的に伸びる弾幕をも躱す。
そんな霊夢を見てねねは疑問を感じずにはいられない。今度こそ倒せると心の中に沸き上がっていた自信もどこへやら、不安そうな表情を浮かべている。
「何で、何で当たらないの?」
「さっきも言ったでしょ、自分の技の弱点や欠点の把握はしておきなさいって。貴女のこのスペルは枯葉が不規則に変化を始める前に躱せばどうってことないのよ」
「も、盲点だった……」
そんなに驚く事でもないだろうと霊夢は思ったが、敢えて口には出さないでおいた。
なにはともあれ、霊夢が攻略してしまった以上このスペルカードは終了である。
――Spell Break!
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