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「たしかに、言うだけのことはあるわね」
「へへへ!」
魔方陣は次々に土塊を放っていく。
そうして作り上げられた大小様々な土塊が入り乱れる光景はお世辞にもあまり綺麗と言えるものではなかった。しかし大地の豊かさや力強さを顕示し、人間が土から作られたという伝承をなぞらえる意味では最適な弾幕と言えるだろう。
「…………」
「へへ! もう喋ってる余裕すらなくなったのね!」
「いいえ、少し考え事」
「巫女も、案外大したことないじゃない!」
「人の話……そうね、特に巫女の話くらいは聞くものよ?」
散弾の様に襲いくる土塊に気を配りながらも札を放つ手を緩めない霊夢。
ねね本人は気にしていないようだが、霊夢の放った札は確実にねねのスペルカードの耐久力を削っている。
「そう、でもあたしには関係ない! これであたしの勝ちだ!」
スペルカードの継続時間の都合もあるため、霊夢にとどめをさそうと一気にたたみかけるねね。
だが、それが裏目に出た。弾幕の量こそ増えるものの、それ故にぶつかり合う弾幕が増えて弾幕の間隔がある程度一定のものとなってしまったのだ。
当然、霊夢はそれを見逃さない。この機をのがさまいと怒濤の反撃をしかける。
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