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しかしそんなことを言っても所詮は無い物ねだり、現状が変わらないことを霊夢は重々承知しているのだろう。ぶつぶつと文句を言いながらも毛玉の様なものと妖精に反撃、突き進んでいく。
「埒があかないのは嫌だけど、ここでアレを使うのはアレだし……」
何だかんだ言いつつもすいすいと進んでいけるのはまだまだ余裕綽々であるということの現れだろう。
一枚のカード取り出して一瞥するがすぐにしまう。
「ん……今、何か聞こえたわね」
弾幕の入り乱れる中、霊夢は何かの音を聞き取った。この状況下で唐突に言い出すのだから、余程この場にはそぐわない音だったのだろう。
霊夢は妖精や毛玉の様なものを攻撃しつつも音の聞こえた方へと進んでいく。
「確かこっちからだったわよね」
進んでいく、その内に段々音が鮮明に聞き取れるようになってきたのだろう、先程よりも進む速度が速く、方向も正確になってきている。
「分かったわ。これの音の正体は声、それも歌声ね。はぁ……ひょっとしてまた夜雀だっりしないわよね……」
ただの音としか聞き取れなかったものが歌声とまで判別出来る程になった。それはつまり、声の主にかなり近づいてきているということでもある。
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