Stage2 誘惑の小道

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「絶対に逃さない……私は今まで一度も、たったの一度も……狙った相手を逃した事はないわ……!」 「何言ってるのよ!」  とりこは音符型の弾幕を歌声に乗せて弾幕を放っていく。  悲し気だが美しくもある歌声に惑わされそうになりながらも気を強く持ち弾幕を躱す霊夢。  しかし、今までに比べて若干動きが鈍い。 「弾幕が揺れてるって中々厄介なのね……でもこいつにだけは負けては駄目な気がするわ」  確かに戦闘開始直前にあの様な事を言われたら負けたくはないだろう。異性に言われても若干危ないのに、同性に言われたら尚の事危機感を覚えるのは当たり前だ。  ある意味今までで一番危ない相手を敵に回していると、霊夢はそう感じていた。 「歌ってばかりでこちらの話に耳を傾けないし、何なのよこいつは……」 「やっぱりこれじゃあ落とせないわよね……なら【愛符】『私が林檎の花だったら』」  歌に乗せて、林檎を模した形の赤い弾幕と音符の形をした青い弾幕が放たれる。  林檎弾幕は真っ直ぐに、音符弾幕は大きく左右にぶれながら霊夢へ迫る。 「もし私がリンゴの花だったならねじれた枝からふわり浮かんでふわり落ちて貴方のシルクの胸元に舞い降りたい」 「何の歌なのよ……」
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