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「はぁ……やっぱりこんな仕事断ればよかったわ……」
鬱蒼と茂る森の中を、木々の隙間をすり抜けながら飛ぶ少女――博麗霊夢は一人、愚痴を漏らしていた。
「飛べども飛べども何も見えてこないじゃないの。もう木は見飽きたわ!」
森の中へいる以上、木ばかり視界に入るのは仕方がないことなのだが、霊夢にとってはそんな常識はどうでもいいのだ。
今の目的は騒音の原因を突き止める、ただそれだけである。
「大体泣き声なんて……うわっ!」
愚痴を漏らす霊夢の頬を何かが掠めた。
そして霊夢の目線の先には、複数の妖精。
「妖精、しかも気が立ってるみたいね……うーん、それじゃあこの森であってたってわけか……上等!」
妖精が飛ばしてきた何か、それは弾幕だった。妖精達は次々と霊夢へ弾幕を放つ。
霊夢は軽々と弾幕を回避、札で反撃する。札はまるで生きているかのように、逃げていく妖精達を追いかけて撃ち落としていく。
「段々と数が増えてきているという事は……近いのかしら?」
妖精達の弾幕をものともせず、妖精達を撃ち落としながら突き進んでいく。
確かな方向は分からない。ただ、勘に従って進んでいるのだ。
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