Stage1 断頭台の丘

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「あら」  妖精達を蹴散らしながら進む霊夢の前に現れたのは、ところどころ装甲が剥がれ落ちた本来の役割を全く果たせそうにないボロボロの鎧、髑髏という些か趣味の悪い形の兜、刃先がボロボロで紙すらも斬れそうにないような西洋剣といういかにも頼りない装備を携えた顔面蒼白の少女――風吹告音。 「丁度いいところに現れたわね。少し話を――」  霊夢の言葉を遮る様に黒い中弾に構成された弾幕がばらまかれる。  鬱蒼と茂る木々のせいで光が届かないため森の中は暗く、告音の放った黒色の弾幕は見えにくい筈なのだが霊夢はそれを何とか回避していく。 「話くらい聞かせなさいよ!」  反撃。大量の札が告音を襲う。  告音は動きながら弾幕を放っていくが札はしつこく、蛇のように執念深く告音を追跡し確実当たっていく。  札の波に揉まれている告音は一枚のカードを取り出すと上に掲げその名を宣言した。 「【告符】『野晒ししゃれこうべ』」  髑髏の様な形に並べられた黒い小玉、一列に並んだ中弾で構成された弾幕が霊夢に襲いかかる。。一列に並んだ中弾はさながら指の様に、恨みのつのる相手を絡めとろうとしているかのように迫っていく。
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