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魔物が揺らす地面は、噴水、家、木々、あらゆる物を崩していく。
「ここで止めるぞ、ザミラ」
「え、僕帰りたい」
「…悠長だな、お前」
そうこう話してる間にも、魔物が角を先頭に二人につっこむ。
「来たぜ!」
ハルムの叫び声と同時に、ザミラが片手を翳した。
すると、噴水から溢れた水が魔物の足を掬う。
どしん、と一際大きな音と、地震をおこし、魔物がひっくり返った。
「…やるな、流石だ。俺の勘に間違いはねえ」
ニヤリ、と怪しく笑うと、一枚のカードを魔物の頭目掛けて投げた。
その瞬間、カードは凄まじい爆発を起こし、後に残ったのは透明になって消えていく、頭の無い魔物の亡きがらと、炭と化したカードだけだった。
「ふん、爆発だったか」
「…何、今の」
ザミラがハルムの手元を見ながら聞く。
「今は教えねえよ、また今度だ」
「…」
ザミラの周りに瓦礫が浮遊し始めた。
「…先言っとくが、それを俺にぶつけたら永遠に答えは迷宮入りだからな」
瓦礫が落ちた。
(気になる、もやもやする)
(当てられたら死ぬに決まってんだろ!)
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