恋編

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秀吉の話をして満足したのか半兵衛は「君とは上手くやっていけそうだよ」と言いながら帰って行った。 ……俺、別に聞いてただけなんだけど。 ともかく半兵衛と少しは仲良くなれたんだろう。 「…今度は半兵衛も誘って悪戯でもしに行こうかな」 それは思いつきだったけど素敵な考えだと思ったんだ。 「………慶次、何を考えているのですか!」 …まつ姉ちゃんに見付からなければ。 まつ姉ちゃんにこってりしぼられ、俺は京の都に来ていた。 「…此処なら、ばれないよな?」 まつ姉ちゃんにしぼられてる最中に利が「まつぅ~、腹減ったー」とか言った為まつ姉ちゃんは飯を作りに行った。 その隙に俺は逃げ出した訳で…… 「絶対帰ったら怒られるよなぁ…」 まつ姉ちゃんは怒ると怖い。 多分魔王なんかよりもずっと。 俺は自分の考えに寒気を感じつつも京の都を歩いた。 「…って何だい、喧嘩かい?」 騒がしい場所に気付き近寄れば喧嘩をしている。 「楽しそうだね、俺も混ぜてくれない?」 俺はその中に飛び込んで行った… 「やっぱり喧嘩は良いねぇ!」 強い。此処は皆が生き生きしてる。 此処に住めたらどんなに楽しいだろう。 「…まあもう暫くは、な」 俺はまだあの二人を見ていたい。 幸せになってくれた秀吉とねねを…俺がふっ切れるまでは。 「命短し、人よ恋せよ…なんてさ」 この時、俺は思ってもいなかった。この言葉が重く俺にのしかかる事になるなんてさ。 「……慶次、何か言いたい事はありますか?」 素晴らしい程の微笑を浮かべたまつ姉ちゃんに俺は土下座した。 「まつ姉ちゃんほんとーにごめんっ!」 あの後俺はまつ姉ちゃんと利に捕まり家に引きずられて来た。 因みにまつ姉ちゃんに引きずられた。 「人様に迷惑をかけて…まつめは悲しいです」 怒ってる。口調は優しげだけど薙刀持ってるし…何よりも雰囲気が。 「……えーと」 冷や汗が出て来た…
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