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オレの名前は石火矢 領(いしびや りょう)。
いつものように、数人しかいない学校に通い、数人のクラスメートと別れ家に帰ってきた。
ただ、それだけだったハズなのに。
なぜ、自分の両親が、見たこともない人に連れ去られようとしているんだ?
『おいおい、帰ってきちまったぜ。ガキが帰ってくる前にかっ攫うってハズじゃなかったか?』
『…まあ気にする事はないでしょう。所詮、人間年齢で17、8の子供…何が出来るわけでもありません』
眠っているのであろう両親を肩に抱えたまま、二人でなにやら会話を始める。
そして、唐突に動いたかと思うと、その内の一人が、オレに向かって手をかざした。
『ちょ…三谷さん、何を…!?』
丁寧な物言いをしていた方が、三谷とやらの行動に慌てる。
『成瀬…報告書にはこう書いておけ。"ターゲットの息子、石火矢領は、帰ってこなかった。そして、永遠に帰らない"、ってな…』
『いけません!任務内容に息子に手を下すような事は書いてないはず…!』
『逆も然り、だ。殺すなとは書いてねえだろ?』
『しかし…』
『殺ったらすぐにずらかるぞ。準備しておけ』
『三谷さん…!』
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