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出会い
三月。
今日から新学期。
なつきも心なしか気分が晴々しい。他人には分からないぎりぎりのスキップを踏みながら家をでた。
「なつき。お弁当忘れてるわよ。」
背後で声がした。
お母さんかと思って振り向くと
そこにいたのは大河原さんだった。
コーヒーだと思ってコーラなんか飲んだ時
脳が考えていた味と実際の味があまりに違い、かなりの衝撃を受けることがある。
それと一緒で
見慣れた母の顔を思い浮かべてから見た
大河原さんの顔はなつきには信じられない程ショッキングだった。
色で例えるなら当然、ショッキングピンク。
道具で例えるなら里芋が簡単に剥ける手袋。
お菓子ならすっぱむーちょ
といった所だろうか。
とにかく凄い衝撃がなつきの体中を稲妻の様に駆け巡ったのだ。
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