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皆が寝静まる頃、一人の若い青年が『デビルメイクライ』の店の前で立ち止まっていた。赤い髪に金色の眼、鎖をまとった服を着ている。青年は、しばらく店の前をウロウロしていたが決意を固めたかのように自分の頬を2・3回叩くと、ドアノブをグッと掴んで開けた。店の中は剣や銃、悪魔牛の剥製などが飾っている。その光景に多少の恐ろしさを感じながら、店の奥へと進んだ。だが、人の気配も人影すらも無かったのだ。
「…すみません、誰か居ますか…?」
青年は恐る恐る言った。返答は…ない。
(なんだ、今は留守なのか…。)
そう思い、一つため息をついて出口へ向かった。
「何も言わずに帰るのか?」
突然、後ろから声を掛けられ青年は驚いた。後ろを振り返ってみると椅子に男が座っていた。その男はピザを美味しそうにほおばっている。
「あなたが…凄腕のデビルハンターと言われている…ダンテですか?」
「凄腕とは嬉しい言われようだな。」
ダンテは最後の一枚のピザを食べ終え、椅子に深く腰掛け足を交錯させ、机にドンッと置いた。
「我の名前はルシファー。実は-…。」
「ルシファー?魔界王の坊ヤが俺に何の用だ?デートのお誘いならお断りだぜ。」
ルシファーは軽く笑い、ダンテに言った。
「デートのお誘いではありませんが
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