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聖菜は空中から攻撃を試みる。
しかし彼女が攻勢に入る前に先に大鬼が動いた。
「お前に新学期祝いとしてこいつをプレゼントしてやるぜ!」
大鬼はダブルクローを地面に突き刺すと再度壁を出現させた。
さらにその壁にダブルクローを突っ込む。
するとダブルクローには岩石が突き刺さっていた。
彼はそれを聖菜に向かって投げ飛ばす。
片手で各々身の丈ほどある岩を投げるとは圧巻の腕力である。
「空中は地上ほど自由には動けない。さあどうする?」
大鬼は聖菜に向かって真っ直ぐ飛んでいく岩石を見つめながら言った。
聖菜は舌打ちをすると薙刀を杖を持つような形に持ちかえた。
そしてすぐさま魔術の詠唱に入る。
「風の鎧よ。我に纏いその力を解放せよ。」
聖菜が詠唱を終えると彼女を緑色の風が包み込んだ。
それを大鬼は涼しそうに眺めた。
「さあ、それで何をする?」
聖菜は風の鎧を身に纏うと最初に飛んできた岩石を上に飛ぶことで回避した。
彼女に翼はない。では何故飛べたのか。
理由は一つだ。
「なるほど、風の鎧が空中での移動性能を高めているのか。
面白いことをするじゃねぇか。」
大鬼はすぐに技のタネを理解した。
彼女は大鬼から目を反らさないようにしつつ、二つ目の岩石の回避を試みる。
二つ目の岩石は横に回避し、さらにその岩石を蹴り飛ばした。
これにより勢い良く地上に突撃出来る。もちろん狙いは大鬼。
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