130人が本棚に入れています
本棚に追加
(あれだけ張り切っておきながらまだ来てないなんて。
まあ私はどっちでもいいんだけどね。)
聖菜がそのまま待つこと約10分。
少し離れたところで足音が聞こえた。
彼女は顔色を変え、警戒しつつ相手を待つ。相手が姿を現した。
「おお、噂は本当だったんだな。律儀に待ってやがったよ。」
聖菜の前に現れたのは大鬼ではなく別の男子生徒二人だった。
左側の男は太っており、右側の男は対照的に痩せていた。
てっきり大鬼かと思っていた聖菜は少し拍子抜けた。
とりあえず尋ねてみることに。
「何?私になんか用?」
彼女の問いにまず太った方が答えた。
「ああ、大有りだ。俺達はお前をぶっ倒しに来たのさ。大鬼さんに代わってな。」
「はあ?あいつなんかあったの?」
聖菜の問いに今度は痩せている方が答えた。
「それは分からない。だが、お前程度の奴が大鬼さんに挑むのがどうも気に入らなくてね。
俺達で潰しちゃおうって考えさ。」
彼の言葉を聞いて聖菜はようやく大鬼ではなく、この二人が来た理由を理解した。
つまり自分の推測が正しければ―
聖菜はとりあえず聞いてみた。
「つまり貴方達は大鬼の命令でここに来たわけではなく、自分の独断でここに来たのね?」
最初のコメントを投稿しよう!