1『遭遇した槍術士』

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(あれだけ張り切っておきながらまだ来てないなんて。 まあ私はどっちでもいいんだけどね。) 聖菜がそのまま待つこと約10分。 少し離れたところで足音が聞こえた。 彼女は顔色を変え、警戒しつつ相手を待つ。相手が姿を現した。 「おお、噂は本当だったんだな。律儀に待ってやがったよ。」 聖菜の前に現れたのは大鬼ではなく別の男子生徒二人だった。 左側の男は太っており、右側の男は対照的に痩せていた。 てっきり大鬼かと思っていた聖菜は少し拍子抜けた。 とりあえず尋ねてみることに。 「何?私になんか用?」 彼女の問いにまず太った方が答えた。 「ああ、大有りだ。俺達はお前をぶっ倒しに来たのさ。大鬼さんに代わってな。」 「はあ?あいつなんかあったの?」 聖菜の問いに今度は痩せている方が答えた。 「それは分からない。だが、お前程度の奴が大鬼さんに挑むのがどうも気に入らなくてね。 俺達で潰しちゃおうって考えさ。」 彼の言葉を聞いて聖菜はようやく大鬼ではなく、この二人が来た理由を理解した。 つまり自分の推測が正しければ― 聖菜はとりあえず聞いてみた。 「つまり貴方達は大鬼の命令でここに来たわけではなく、自分の独断でここに来たのね?」
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