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「この魔方陣の中にいる敵は少しずつダメージを受けるのだ。
つまり、貴様らは先程までとは真逆の立場になったわけだ。
さあ、どうする?」
すぐさま異変に気が付いた俊和は疑問を口にし、それに対してギスアークはニヤリと笑いながら答えた。
手痛い技を受けてしまった俊和達だったが、今回の彼らは容易く止められはしない。
故にすぐさま次の手を打った。
「これくらいなら…
リセットサークル!」
魔方陣の要領を把握した絵梨花は両腕を開くと魔術を発動。
肉眼では何をしたかは分からなかったが、漆黒の魔方陣はたちまち消滅。
俊和達を襲っていた体の重さは嘘のように引いていった。
「この程度で私達を止めようなんて甘いわよ。」
「やるじゃないか。
やはり戦いはこうでなくてはな!」
凛とした絵梨花の姿にもギスアークは全く動じず、楽しそうな口調で返す。
事実まだ無傷なため、余裕があるのだろう。
「さあ、ガンガン行くぜ!」
今度こそ仕返しとばかりに大鬼はそう言いながら攻勢に出る。
彼は残された僅かな聖菜の風を力を使ってギスアークへ一気に接近すると目にも止まらぬ速さでダブルクローを何度も突き出した。
「おらおら!
この連撃を防ぎきれるか!」
「確かに一撃一撃は速いが威力不足だな。
故に効かん!」
大鬼のダブルクローは確かにギスアークの体を捉えたが、速さに比重を置きすぎたのか彼の体に大きな傷を付けることが出来ない。
さらにそれをいいことにギスアークからきつい一撃をもらってしまい、大鬼はやむを得ず後退した。
「ぐぬぅ…」
「どうした!
こんなものか?」
期待外れだったのか大鬼を挑発するギスアーク。
自ら隙を作っているのは明らかだった。
罠である可能性はあったがこの隙を狙って俊和と聖菜が彼の背中を狙う。
「くらえ!」
「よそ見してんじゃないわよ!」
目の前まで迫っても反撃が来なかったため、このまま攻撃が入ると思われたが、さすがにギスアークは動いた。
「愚かな。」
彼はそう呟くと右足で軽く地面を踏みつけた。
すると背中に氷のバリアが出現し、二人の進路を阻んだ。
「それこそお見通しよ。」
ギスアークにしてやられた俊和と聖菜だったが、直後これを絵梨花がカバー。
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